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34年前の夏の日
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小学6年生になったばっかのころ。
さよならも言わんで突然引っ越した、同じ団地に住む友達。
スポーツが得意でちょっとヤンチャ。
でも、弱いもんいじめはせんし、みんなに優しかった。

先生は引っ越しの理由を言わんやったけど、新聞に出てりゃすぐ知れ渡る。
そいつのお父さんが窃盗で捕まっとった。

友達と市役所に行って、転出先を教えてもらった。
どうやら、お母さんの実家に戻ったらしい。

でも、わかった住所は、「●●県●●郡●●村」までで、番地は不明。
初めて名前を聞いたその村は、遠く日本海側にある小さな小さな村やった。


その年の夏休みに、俺はオトンと2人で、鈍行+急行列車で日本一周の旅に。
旅に出発する前に、そいつにハガキを書いた。

“ 8月X日のXX時に、●●村に一番近い国鉄▲▲駅に着きます。
 YY時発の列車に乗るんで、それまでの間に、ちょっとでも会えんかな?”

とか、そんなことを書いて送った。

旅の2日目の午後、予定通りに国鉄▲▲駅に到着。
もちろん初めて降り立つ、▲▲駅。
改札を出て辺りを見渡しても、そいつの姿は見当たらん。

でも、出発の時間まで2時間くらいあった気がする。
「ハガキにはYY時までおるっち書いたけ、それまで待っときたい」
そう言う俺に、オトンはなんも言わんで付きあってくれた。
YY時より前に出発する列車もあったのに。

でも、来るか来んか分からん友達をずーっと駅前で待っとくのも手持ち無沙汰で。
駅前の道をまっすぐ歩いて、電電公社かなんかの建物辺りまで2人で行った記憶が。

結局、YY時までにそいつが姿を現すことはなくて。
また列車に乗ってオトンと旅を続けた。

旅を終えて家に戻った数日後。
宛先不明でハガキが戻ってきた。
番地なしのせいか、もしかしたら苗字が変わったんか、理由は分からんかったけど。

そしていまも、そいつの行方は知れず。
名前でググっても、それらしきヤツは引っかからんし。
元気にしとるやろか。


あれから34年。
シルバーウィークに、その▲▲駅に立ち寄ってみた。
その佇まいは、記憶にあるような、ないような。

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でも、あの時、な〜んの縁もないここに、オトンと来たんやなあと。
そう思うと、なんとも言えん気持ち。

34年前の夏の炎天下。
来るわけもない友達を、ただひたすら待っとった、小学6年の男の子とその父親。
よく、あんな子供のわがままを聞いてくれたなあと、いま思う。

駅前の道をまっすぐ行ってみた。
そしたら、NTTの建物があった。
記憶通り、道の左側に。

オトンは、あのときのことをどれくらい覚えとる?
そんな話をすることもなく亡くなってから、もうすぐ3年が経つ。

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